ESTA(エスタ)申請とビザの違いとは?

ESTA(エスタ)申請とビザの違いとは?

アメリカ渡航にはESTA(エスタ)申請またはビザが必要です

日本国籍者がアメリカへ渡航する場合、ESTA(エスタ)申請またはビザを取得する必要があります。
ESTA(エスタ)とは、正式名称を“Electronic System for Travel Authorization”と言い、アメリカの電子渡航認証システムの略称です。
ESTA(エスタ)は2009年1月から米国国土安全保障省(DHS)により導入された渡航認証制度で、渡米する前にオンラインにて申請が義務化されました。
一方のビザは滞在する目的や期間に合わせて申請が必要となるもので、ESTA(エスタ)と比べると申請から取得までに1カ月ほどの時間を要することが予想されます。一般的な旅行であればESTA(エスタ)申請でアメリカへの渡航が可能ですが、就労(アルバイトを含む)や留学を目的として渡航する場合はESTA(エスタ)申請の対象となりませんのでビザを取得する必要があります。

ESTA(エスタ)とビザの大きな違いはアメリカでの滞在可能日数

ESTA(エスタ)申請とは一般的な観光や短期の商用を目的として渡航する場合に必要となるものです。ESTA(エスタ)申請は1度の渡航でアメリカに90日以内の滞在が可能であり、留学や就労(アルバイトを含む)などを目的とした90日以上の滞在を希望する方はビザ申請を推奨しております。
ESTA(エスタ)とビザでは申請条件が異なりますので、自身の渡航目的に合わせて検討する必要があります。

ESTA(エスタ)申請がふさわしい渡航

ビザ申請がふさわしい渡航

ビザ免除プログラム(VWP)とは

ビザ免除プログラム(Visa Waiver Program=通称VWP)とは米国が定める入国管理プログラムのひとつです。ビザ免除プログラム参加国の国籍を有する方は米国へ渡航する際、ビザを取得せずにビザ免除プログラムを利用することで渡航が可能となります。ESTA(エスタ)申請はビザ免除プログラムの一環であり、日本を含むビザ免除プログラム参加国の方がアメリカへ渡航する際は事前にESTA(エスタ)申請が必要となります。

ビザ免除プログラム(VWP)参加国

ビザ免除プログラムを利用して渡航する際は以下の条件をご確認ください

以下に該当する方はESTA(エスタ)での渡航が拒否される場合があります

日本の海外渡航の歴史

現在では簡単にパスポートが取得できるため海外旅行が身近なものとなりましたが、以前は世界情勢や国内の制度変革などにより海外への渡航には多くの制限がありました。海外渡航は長い年月を経て、パスポートの進化と共に発展を遂げています。
江戸幕府が日本人海外渡航の禁制を解き、1866年(慶応2年)に日本で初めての旅券である「海外渡航文書」が発行されました。賞状のような大きさの和紙に墨で氏名や身分が記されており、渡航目的は修学と商業に限定されていて日本との条約締結国への渡航のみ許可されておりました。
1878年(明治11年)に初めて法令上 “旅券”という用語が使用された「海外旅券規則」が制定されます。これを記念して120周年となる1998年(平成10年)には法令が制定された2月20日を「旅券の日」として定められました。それ以降は旅券への写真貼付や冊子型への改定、旅券法の制定などが格段に進歩します。
これまで修学や貿易を目的とした海外渡航のみ許可されておりましたが、1963年(昭和38年)には業務渡航の自由化が認められ、1964年(昭和39年)には観光渡航の自由化が始まりました。自由化当初の海外渡航は費用も高額で一部の富裕層のみに利用が限られましたが、1970年代には飛行機の大型化や円高と共に渡航費用の低下が進んだことから次第に一般化し、1972年頃には海外渡航者が100万人を突破するほどに増加しました。
1980年代後半には為替レート安定化に関する「プラザ合意」により円高が急激に進んだことや米国によるビザ免除制度の導入などの影響により、さらに海外への渡航者は増加の一途となったのです。その後、機械読み取り旅券(MRP)の導入や従来の有効期限が5年あるパスポートに加え、10年間有効のパスポートが発行。
2006年(平成18年)には偽変造対策に関して高度な効果を発揮するICチップ内蔵型旅券「バイオメトリック・パスポート」の発給が開始されました。
日本のパスポートは他国から多大なる信頼を得ており、近年発表されたCNNによる「ビザなしで渡航できる国・地域の数を比較した世界のパスポートランキング」では1位に挙げられております。 日本のパスポートは偽造や変造を防ぐため20種類にもおよぶ偽造防止技術が施されており、最新の技術と英知を集約している点も世界中から注目を集めています。

海外在留邦人数の移り変わり

外務省より発表されている2017年(平成29年)「海外在留邦人(日本人)数」では、1989年(平成元年)の58万6972人から年々増加していき2017年(平成29年)時点で135万1970人にまで到達し、1968年(昭和43年)以降最多人数となりました。
海外在留邦人には3か月以上海外に滞在しているが将来的に日本に帰国する予定のある「長期滞在者」と滞在国に永住権を認められている「永住者」で分けられており、長期滞在者は全体の約64%で86万7820人、永住者は約36%の48万4150人と分配されています。男女比で見ると、1989年(平成元年)から永住者は女性が男性より約2万人上回っておりましたが長期滞在者に関しては男性が女性より約4万人上回って推移しておりました。
平成12年からは長期滞在者と永住者の総数でも女性が上回るなど時代の流れと共に男女の海外滞在数も変化してきております。また、年代別では留学や家族での海外転勤などで海外在留する比率が増える未成年と仕事としての海外在留率が増えやすい40代が大多数を占めています。
海外に在留している日本人は1番多い国からアメリカに約42万人、中国に約12万人、オーストラリアに約10万人となっており、他の国に大きな差をつけてアメリカに多くの日本人が在留していることが分かります。日本からESTA(エスタ)を利用して観光や商用目的でアメリカへ短期間の渡航をする方も多いですが、ビザを取得して長期的な滞在を希望する方も年々増加しております。長期滞在者によるアメリカでの滞在目的別で1番多いのは民間企業関係者、次いで留学生・研究者・教師、政府関係職員、報道関係者となっております。都市別ではロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、ホノルルの順で多く滞在しており、その理由としてはロサンゼルス、ニューヨーク、シカゴなどに日系企業が多く拠点としている背景がうかがえます。日系企業は2017年(平成29年)時点で海外に7万5531拠点があり、そのうち約43%(3万2349拠点)が中国に、次いで約11%(8606拠点)がアメリカに存在しています。インドには1989年(平成元年)時点で約810拠点しか進出していませんでしたが2017年(平成29年)にはアメリカに次ぐ約6.4%(4805拠点)を占めるまで急増しました。

渡航目的に合ったESTA(エスタ)またはビザの取得を

観光渡航の自由化が開始された1964年(昭和39年)より増加の一途となっている海外渡航者ですが、日本政府観光局(JNTO)より2017年(平成29年)「日本人出国者数」によると年間約1900万人の日本人が海外に渡航していると発表されました。そのなかで約360万人がアメリカに渡航しており、そのうち約150万人がハワイ、約75万人がグアムを訪れています。アメリカの準州であるグアムやサイパンへ渡航する際はESTA(エスタ)申請が不要ですが、ハワイや米国本土への旅行を希望する場合はESTA(エスタ)申請が必要となります。
米国で90日以内の滞在をされる方はESTA(エスタ)の申請を、90日以上の滞在をされる方はビザの申請をご検討ください。

ESTA(エスタ)申請TOPページに戻る

更新日:2020/2/15

ページの先頭へ