Eビザとは
Eビザとは米国にて発行をされるビザの一つです。ビザ(日本語では査証)とは、入国を希望する他国の人々に対し、不法労働をはじめ自国の安全などをおびやかす危険性(テロ行為など)を未然に防ぐ為、さらには入国の審査を簡素化する為に事前に在外公館にて審査・申請を行い、入国の許可をしたことを証明するものです。現在は米国に限らず世界中の国々で発行されております。
事前審査において、入国不適切とみなされビザが発行されない場合は、原則的に入国をすることはできません。また、事前審査にてビサが発行されていても入国審査の際に入国が拒否されるケースもございます。
米国に入国を希望する日本人で、短期商用または90日以下の観光での目的の旅行に関しては、2009年1月12日より米国国土安全保障省(DHS)により義務化がされたビザ免除プログラムの電子渡航認証システムESTA(エスタ)のオンライシステムによってESTA(エスタ)申請をおこない、渡航認証の手続きを行うことにより入国が可能となりました。しかし、ビザまたは電子渡航認証システムが米国への入国をかならず保証するものではありませんのでご注意ください。
米国に入国を希望する外国籍の保有者は、基本的に永住のための移民ビザまたは一時滞在のための非移民ビザのどちらかを申請し取得する必要があります。
非移民ビザでは、特定の目的のために一定の期間において、米国への滞在を希望する学生、観光客、ビジネスマン、特殊労働者などが利用するものとなります。米国ビザの法律や規制では、ほとんどの非移民ビザ申請者は、領事官と居住国との間で強いつながりがあることをはじめ、一時滞在の後に米国を出国する予定であることを伝える必要があります。
非移民ビザを申請する場合は、東京の大使館をはじめ、札幌、大阪、神戸、福岡、那覇の領事館にて申請を行うことができます。
非移民ビザの種類は以下の通りです。
貿易にかかわる駐在員 |
E-1 |
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投資にかかわる駐在員 |
E-2 |
外交官または外国政府の関係者 |
A |
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学生による学問または語学学生 |
F-1 |
学生の同行家族 - F-1 保有者の同行家族 |
F-2 |
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学生による職業訓練 |
M-1 |
学生の同行家族 - M-1 保有者の同行家族 |
M-2 |
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交流による訪問者 |
J |
交流による訪問者・オペア |
J-1 |
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交流による訪問者・J-1 保有者の子ども (21歳未満) または配偶者 |
J-2 |
交流による訪問者・教授・学者・教師 |
J-1 |
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交流による訪問者・国際文化交流 |
J, Q |
スポーツ選手・アマチュアおよびプロ
(賞金のかかる試合に参加する場合) |
B-1 |
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スポーツ選手・芸術家や芸能人 |
P |
一時就労者・季節的農業 |
H-2A |
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一時就労者・非農業 |
H-2B |
北マリアナ諸島に限る移行期労働者 |
CW |
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北マリアナ諸島に限る投資駐在員 |
E-2C |
自由貿易協定(FTA)の 専門家: チリ |
H-1B1 |
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自由貿易協定 (FTA) の専門家: シンガポール |
H-1B1 |
商用ビジター |
B-1 |
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使用人・お手伝い・ベビーシッター(外国籍の雇用主の同行が必須) |
B-1 |
国境通過カード: メキシコ |
BCC |
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オーストラリア人の就労者や専門家 |
E-3 |
クルーメンバー
(米国内で海外船舶や飛行機の乗組員や乗務員) |
D |
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指定国際機関、NATO の職員 |
G1-G5, NATO |
婚約者 |
K-1 |
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科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツの分野において
卓越した能力を有する外国人 |
O-1 |
情報メディア代表
(報道関係者、ジャーナリスト) |
I |
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企業内転勤者 |
L |
治療 |
B-2 |
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NAFTA 専門職員: メキシコ、カナダ |
TN/TD |
医療専門家が不足している地域に渡航する看護師 |
H-1C |
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医師 |
J-1, H-1B |
宗教活動家 |
R |
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高度な専門知識が必要な分野での特殊技能職 |
H-1B |
観光をはじめ休暇や娯楽目的での訪問者 |
B-2 |
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雇用を主な目的としないプログラムでの研修 |
H-3 |
米国の通過 |
C |
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人身売買被害者 |
T-1 |
米国内に駐留する外国軍隊関係者 |
A-2, NATO1-6 |
|
米国でのビザ更新 - A、G、およびNATO |
A1-2, G1-4, NATO1-6 |
上記の中でEビザは、米国間において航海と商業に関する条約が結ばれた83か国の人々に対してビザ発給が認められております。また、日本人に対しては日米友好通商航海条約に基づき1953年10月30日よりビザ発給がはじまっています。
Eビザは日本をはじめアメリカと通商条約を締結した国の人々が、ビジネスを目的として渡米する際に必ず申請取得しなければいけません。
●Eビザの制限
Eビザ取得者のアメリカ滞在可能な期間は、ビジネスのためとしてアメリカ国土安全保障省が認めた一定の期間のみとなります。終了後はアメリカを出国しなくてはなりませんし、また、家族のEビザにて同伴する人は原則として就業が禁止されています。ただし、アメリカ入国後に就労申請を行い、許可を受けた際は就業が可能となります。
●E-1とE-2の違い
EビザにはE-1(貿易駐在員)とE-2(投資駐在員)の2種類がございます。
E-1ビザ
申請者がアメリカと条約国との間で実質的かつ継続的な貿易活動をおこなうための渡米である必要があります。
E-2ビザ
申請者が一定以上の投資を行った企業を指揮し業務を拡大させるためを目的とした渡米であること。
この2種類のビザ発給が認められている条約国は以下となります。
*日付は有効となった年月日
- United Kingdom :E-1 July 03, 1815
- United Kingdom: E-2 July 03, 1815
- Colombia :E-1 June 10, 1848
- Colombia :E-2 June 10, 1848
- Costa Rica :E-1 May 26, 1852
- Costa Rica :E-2 May 26, 1852
- Brunei: E-1 July 11, 1853
- Switzerland :E-1 November 08, 1855
- Switzerland: E-2 November 08, 1855
- Paraguay :E-1 March 07, 1860
- Paraguay :E-2 March 07, 1860
- Bolivia :E-1 November 09, 1862
- Yugoslavia : E-1 November 15, 1882
- Yugoslavia : E-2 November 15, 1882
- Bosnia and Herzegovina 11 :E-1 November 15, 1882
- Bosnia and Herzegovina 11: E-2 November 15, 1882
- Croatia : E-1 November 15, 1882
- Croatia : E-2 November 15, 1882
- Kosovo : E-1 November 15, 1882
- Kosovo : E-2 November 15, 1882
- Macedonia, the Former Yugoslav Republic of (FRY) : E-1 November 15, 1882
- Macedonia, the Former Yugoslav Republic of (FRY) :E-2 November 15, 1882
- Montenegro : E-1 November 15, 1882
- Montenegro :E-2 November 15, 1882
- Serbia : E-1 November 15,1882
- Serbia : E-2 November 15,1882
- Slovenia :E-1 November 15, 1882
- Slovenia : E-2 November 15, 1882
- Spain: E-1 April 14, 1903
- Spain :E-2 April 14, 1903
- Estonia :E-1 May 22, 1926
- Norway : E-1 January 18, 1928
- Norway :E-2 January 18, 1928
- Honduras :E-1 July 19, 1928
- Honduras :E-2 July 19, 1928
- Latvia: E-1 July 25, 1928
- Austria :E-1 May 27, 1931
- Austria: E-2 May 27, 1931
- Turkey :E-1 February 15, 1933
- Finland :E-1 August 10, 1934
- Liberia: E-1 November 21, 1939
- Liberia :E-2 November 21, 1939
- China (Taiwan) 1: E-1 November 30, 1948
- China (Taiwan) 1 :E-2 November 30, 1948
- Italy :E-1 July 26, 1949
- Italy :E-2 July 26, 1949
- Ireland :E-1 September 14, 1950
- Ethiopia: E-1 October 8, 1953
- Ethiopia :E-2 October 8, 1953
- Japan :E-1 October 30, 1953
- Japan :E-2 October 30, 1953
- Greece :E-1 October 13, 1954
- Israel :E-1 April 3, 1954
- Philippines: E-1 September 6, 1955
- Philippines :E-2 September 6, 1955
- Germany :E-1 July 14, 1956
- Germany :E-2 July 14, 1956
- Iran :E-1 June 16, 1957
- Iran :E-2 June 16, 1957
- Korea (South) :E-1 November 7, 1957
- Korea (South) :E-2 November 7, 1957
- Netherlands : E-1 December 5, 1957
- Netherlands :E-2 December 5, 1957
- Oman :E-1 June 11, 1960
- Oman: E-2 June 11, 1960
- France :E-1 December 21, 1960
- France :E-2 December 21, 1960
- Denmark :E-1 July 30, 1961
- Pakistan :E-1 February 12, 1961
- Pakistan :E-2 February 12, 1961
- Belgium :E-1 October 3, 1963
- Belgium: E-2 October 3, 1963
- Luxembourg :E-1 March 28, 1963
- Luxembourg: E-2 March 28, 1963
- Suriname: E-1 February 10, 1963
- Suriname :E-2 February 10, 1963
- Togo: E-1 February 5, 1967
- Togo :E-2 February 5, 1967
- Thailand :E-1 June 8, 1968
- Thailand :E-2 June 8, 1968
- Bangladesh :E-2 July 25, 1989
- Cameroon: E-2 April 6, 1989
- Congo (Kinshasa) :E-2 July 28, 1989
- Grenada :E-2 March 3, 1989
- Senegal :E-2 October 25, 1990
- Turkey :E-2 May 18, 1990
- Turkey :E-2 May 18, 1990
- Morocco :E-2 May 29, 1991
- Panama :E-2 May 30, 1991
- Australia: E-1 December 16, 1991
- Australia: E-2 December 27, 1991
- Egypt :E-2 June 27, 1992
- Finland :E-2 December 1, 1992
- Ireland :E-2 November 18, 1992
- Sweden: E-1 February 20, 1992
- Sweden: E-2 February 20, 1992
- Canada :E-1 January 1, 1993
- Canada: E-2 January 1, 1993
- Czech Republic :E-2 January 1, 1993
- Slovak Republic :E-2 January 1, 1993
- Sri Lanka: E-2 May 1, 1993
- Tunisia: E-2 February 7, 1993
- Argentina :E-1 October 20, 1994
- Argentina :E-2 October 20, 1994
- Bulgaria :E-2 June 2, 1994
- Congo (Brazzaville): E-2 August 13, 1994
- Kazakhstan: E-2 January 12, 1994
- Kyrgyzstan: E-2 January 12, 1994
- Mexico: E-1 January 1, 1994
- Mexico :E-2 January 1, 1994
- Moldova :E-2 November 25, 1994
- Poland :E-1 August 6, 1994
- Poland :E-2 August 6, 1994
- Romania :E-2 January 15, 1994
- Armenia :E-2 March 29, 1996
- Trinidad & Tobago :E-2 December 26, 1996
- Ukraine :E-2 November 16, 1996
- Latvia: E-2 December 26, 1996
- Ecuador :E-2 May 11, 1997
- Estonia :E-2 February 16, 1997
- Georgia :E-2 August 17, 1997
- Jamaica :E-2 March 7, 1997
- Mongolia :E-2 January 1, 1997
- Albania :E-2 January 4, 1998
- Azerbaijan :E-2 August 2, 2001
- Bahrain :E-2 May 30, 2001
- Bolivia :E-2 June 6, 2001
- Jordan: E-1 December 17, 2001
- Jordan :E-2 December 17, 2001
- Lithuania :E-2 November 22, 2001
- Chile: E-1 January 1, 2004
- Chile: E-2 January 1, 2004
- Singapore :E-1 January 1, 2004
- Singapore: E-2 January 1, 2004
- Denmark :E-2 December 10, 2008
●企業登録手続き
E-1(貿易駐在員)またはE-2(投資駐在員)ビザを取得するには、事前に雇用をされている企業の登録を済ませておかなければなりません。登録は東京の米国大使館または大阪の総領事館にて行います。大使館または領事館において登録された企業は、大使館または領事館にて発行された有効なEビザを持っている社員が1人でもいる限り、登録期間を継続できます。ただし、申請者個人は、面接にてEビザの資格がある従業員または投資家であることを証明する必要があります。
なお、Eビザ申請時に、事業内容と申請者個人を総括的に審査した結果、ビザの有効期限が、最長の5年ではなく、期間が短縮されたビザを発行されるケースもあります。また、ビザ更新時の審査で、追加の書類審査が必要となるケースもあります。更新時における審査では、企業が事業の計画に沿ってしっかり運営がされているか、または計画以上の成果を出しているかを判断するためのものです。審査の結果によっては、Eビザの資格に不適合と判断されるケースもございます。様々な諸条件がしっかりと満たされていると判断された場合、5年間のEビザが発給されます。
●提出書類の注意事項
- 一年間に複数の従業員のEビザ申請を行う企業は、財務諸表または納税申告所を必ず一年に一部提出をします。最新の財務諸表を作成提出した後、または納税申告後に最初のビザ申請を行うことをお勧めします。
- 全ての提出をする情報は直近最新のデータを記載します。
- 領事は、貿易企業または投資企業がEビザの様々な条件を満たしていることを審査するために、補足書類の提出を求めるケースもございます。
- 補足書類は、領事が面接をおこなう際に参考とするもので、領事は、各申請を専門性、社会性、文化などの観点から個々に審査を行い、また、領事は申請者の意志や家族の状況をはじめ、自国での長期的なプランなども考慮し申請は個々に審査されます。すべての判断は法律に沿って行われております。
- 提出書類はレターパックで審査終了後返却されます。そのためレターパックに収まるサイズで提出をしてください。
- 決して不正な書類は提出してはいけません。虚偽記載または不実記載があった際は、ビザ申請資格を無期限に失うことになります。機密性を心配される場合は、封をした封筒に書類を入れて、大使館または領事館に提出をしてください。大使館または領事館はこの情報を一切開示しないので、情報の機密性は保持されます。
●E-1(貿易駐在員)ビザ取得条件
貿易駐在員ビザ(E-1)を取得するためには以下の条件を満たす必要があります。
- 申請者が米国で勤務する会社の国籍は、条約国と同じ国籍であること。同じ国籍と見なされるためには、米国にある会社の株の少なくとも50%以上を保有し、条約国の国籍を保持している者が所有していることが必要です。
- 国際貿易が実質的なものであることをはじめ、貿易は相当額であり、しっかりと継続している貿易が行われていること。貿易品の所有権は一方から相手国の当事者へと譲渡されていなければなりません。
- 条約国の国籍を申請者は保持していること。
- 国際貿易がおもに米国と条約国の間で行われること。その国際貿易は、50%以上が米国と条約国の間のものである必要があります。
- 申請者は管理職または役員、または企業の運営に不可欠な高度な専門知識を有する者でなければなりません。一般的な業務のレベル、または未熟練な労働者は申請資格を有しません。勤務先となる企業でその申請者の技術が必要不可欠であることの理由についてくわしい説明が必要となることもございます。
- 申請者はE-1としての申請をおこなった業務終了後は、米国を離れる意思があることが条件です。
●E-2(投資駐在員)ビザ取得の条件
- 投資は継続しているものであり、投資額はその会社を順調に運営できるための十分な金額である必要がります。
- 個人または共同経営者、企業を含む投資家は、条約国の国籍を有すること。企業のケースでは、少なくとも50%以上の株を条約国の国籍の者が所有していること。
- 投資は実態のある企業へのものであることと、投機的または余資投資は当てはまりません。銀行口座内に使途が不明確な資金を所持していることや、単なる未開発地を所有している投機的または余資投資は原則認められません。
- 投資家は、資金の主導権を握っていなければならず、その資金は商業上の損失をうけるリスクのあるものであること。また、その投資そのものが不運に遭い投資額の一部または全てを損失するというケースになければ、本来の投資としての意味をなしておりませんし、投資した資産を担保に借入金をおこすことは認めておりません。
- 投資家の渡米目的は、その企業の運営を行い、発展させることでなければなりません。申請者が投資家本人でないケースは、管理職をはじめ役員あるいはその会社に必要不可欠な知識を要する職種として雇用をされる必要があります。一般的な業務レベル、または未熟練労働者は申請の資格がありません。勤務先となる会社で、その申請者の技術が必要不可欠であることと、管理職または役員の資格があることの理由について、くわしい説明が必要となるケースがあります。
- 投資は生計費をまかなうためだけではいけません。その投資は投資家として家族の生計を支えるために必要な金額をはるかに上回る収益をあげる必要がありますし、米国に著しい経済効果をもたらすものであることが必要です。
- 申請者はE-2としての仕事が終了後、米国を離れる意志があることが必須です。
●家族のビザ
E-1(貿易駐在員)またはE-2(投資駐在員)ビザの資格をもつ配偶者ならびに21歳未満の子どもが、配偶者や親に同行する際や、または後から合流するためには、家族用Eビザを取得しなければなりません。申請者は配偶者と同じ国籍である必要はありません。
ビザ申請は、申し込みから発行までに1か月以上かかるケースもございます。そのため、渡航の予定が決まりましたら事前に余裕をもち申請されることをお勧めします。また、就労・長期滞在をお考えのケースは、事前に入国管理局(http://www.immi-moj.go.jp/soshiki/)にてビザ取得のための条件などを満たしているかの相談・審査を受けることが出来ますので、入国管理局へのお問い合わせをおすすめします。